うーん、つげ義春ファンでなくては理解がむずかしく・・・とはいえ

つげ義春ファンであったら、物足りない・・という映画になっていたような。劇中劇で河合優美さんのビキニ姿が目をひいたが・・あとは、ひたすらつげ義春の世界観。
アイスランドの不思議映画・・・
邦題が「好きにならずにいられない」、英語タイトルが「Virgin Mountain」、しかしその中身は・・・いいやつなんだけど、デブ+ハゲの中年男のオタク的日常、初めて好きになった相手も情緒不安定の中年女性。とにかく献身的なのだが、結局報われず、同じような日々を・・・。
いや、ちがうか、ダンス教室に行ったし、ゴミ回収作業仲間のふれあい、そして一人でエジプトへ旅立つ。出会いと別れを通して、少しずつ変わっていく、眼に見えないくらではあるけれど。
微妙な登場人物ばかりなんだけど、ああ普通の日常ってこんなもんだよなぁ、と妙にほっこりしてしまう。

「国宝」に押されて、せっかくの映画が・・・、もったいないということで、炎天下になんと十三(じゅうそう)の映画館で観てきました「桐島です」
連合赤軍以後のこうした闘争は、民衆の支持もえられなくなっていたのだなと。例えば自首するとか、偽免許証を使って保険証作るとか、いろいろ手段はあっただろうが、無気力ゆえに死までほぼ「めだたぬように」生きてしまったのか、それとも権力にすり寄ることに極端な嫌悪感を抱いていたのか(映画での描き方は後者)。
無名の人生を淡々と生きる、それを毎熊克哉がていねいに演じて、彼なりのPerfect Daysになっていた。少しシュッとしすぎているきらいはあるが、何をやらせてもそつがない。北香那と歌う「時代おくれ」も予想以上に上手い。浅川マキの挿入歌「こんな風に過ぎていくのなら」というセレクションもグッド。
早くに逮捕されて出所した宇賀神との関係についてはテレビで宇賀神へのインタビューを見た。人生さまざま。
映画で過激派が主張する資本主義の搾取構造は、それはもうそんなものとして万人がわかっているのではないか?だから労働を資本に売りながらも、自分も資本の一部となっていき蓄財してFIREするなんて話になるのではないか・・・というのは映画とは関係ないが。