Fontana's Cinema Paradiso

この映画、みたことあるはずなのに、おぼえていない・・・そんな自分のメモランダム

好きにならずにいられない (2015)

アイスランドの不思議映画・・・

邦題が「好きにならずにいられない」、英語タイトルが「Virgin Mountain」、しかしその中身は・・・いいやつなんだけど、デブ+ハゲの中年男のオタク的日常、初めて好きになった相手も情緒不安定の中年女性。とにかく献身的なのだが、結局報われず、同じような日々を・・・。

いや、ちがうか、ダンス教室に行ったし、ゴミ回収作業仲間のふれあい、そして一人でエジプトへ旅立つ。出会いと別れを通して、少しずつ変わっていく、眼に見えないくらではあるけれど。

微妙な登場人物ばかりなんだけど、ああ普通の日常ってこんなもんだよなぁ、と妙にほっこりしてしまう。

鳩の撃退法 (2021)

想像以上の出来栄え!

佐藤正午の長編メタ小説を映画化。あの小説が映画化できるのか・・・と危惧していたが、想像以上に小説世界を映像にしていますね。逆に、映画だけ観て、ストーリーがきちんと追えるのかは心配。時間軸もあっちいったりこっち行ったりだし、書いている小説なのか、現実なのか(映画はほぼ現実を小説にしたような作りだが)。

佐藤正午好みの入り組んだ構造をよくぞここまで!

バラード 未解決事件捜査班

BOSCHが終わった・・とお嘆きのあなたに

BOSCH Legacyの最後にちらっと登場したバラード刑事を主役に、そしてなんとBoschもちらほら登場する、BOSCHの続編ともいうべきシリーズ、それが「バラード 未解決事件捜査班」。

BOSCHファンとしては、BOSCHに比べて・・どうのこうの、と言いたくなる部分はありますが、まずはファーストシーズンが評判を呼ばなければそのまま打ち切りになるのでね!みなさん見てください。

youtu.be

「桐島です」(2025)

「国宝」に押されて、せっかくの映画が・・・、もったいないということで、炎天下になんと十三(じゅうそう)の映画館で観てきました「桐島です」

連合赤軍以後のこうした闘争は、民衆の支持もえられなくなっていたのだなと。例えば自首するとか、偽免許証を使って保険証作るとか、いろいろ手段はあっただろうが、無気力ゆえに死までほぼ「めだたぬように」生きてしまったのか、それとも権力にすり寄ることに極端な嫌悪感を抱いていたのか(映画での描き方は後者)。

無名の人生を淡々と生きる、それを毎熊克哉がていねいに演じて、彼なりのPerfect Daysになっていた。少しシュッとしすぎているきらいはあるが、何をやらせてもそつがない。北香那と歌う「時代おくれ」も予想以上に上手い。浅川マキの挿入歌「こんな風に過ぎていくのなら」というセレクションもグッド。

早くに逮捕されて出所した宇賀神との関係についてはテレビで宇賀神へのインタビューを見た。人生さまざま。

映画で過激派が主張する資本主義の搾取構造は、それはもうそんなものとして万人がわかっているのではないか?だから労働を資本に売りながらも、自分も資本の一部となっていき蓄財してFIREするなんて話になるのではないか・・・というのは映画とは関係ないが。